フェリー移動と初野宿(アカバ→ヌエバ)
旅の途中
中東や南アジア、アフリカに行くというと大体こんな風に言われます
「なんでそんな危ない所に行くの?」
「あんな貧しい国に行ってどうするの?」
最初はなんでだろうと自分でも考えて、頭の中で英語でなんというのか紡ぎ出していたんですが、最近はめんどくさくなり定型文で答えるようになりました
"That will be no reason not to go''
中東からエジプトへの入国は船で向かいます
陸路で入ろうとすると、イスラエルのエイラートから国境を超えることになります
エジプトはイスラエル未承認のためアライバルビザが取得できません(事前にエジプトビザを取得している場合入国可能)
エイラートの出国でノースタンプが可能なのか怪しく、万が一イスラエルスタンプがつくと今後のアジア横断に支障をきたすため避けました
ということでアンマンから5時間8.6JDかけてやってきたのは海辺のリゾート地アカバ!
ヨルダンの海運を一手に担い、海外企業誘致のため経済特区に指定されています
アンマンを出発したのが18時
途中何も無い荒野で休憩を挟み、経済特区入口で荷物検査を受け、到着したのは23時
トイレもお店もない休憩所(運転手のタバコ休憩)
フェリーに間に合わないのは分かってました
ただ、リゾート地なので宿が高い!!
決めあぐねている間に到着してしまったので、とりあえず街を散歩
ヤシの木が並ぶ大通りには、夜遅くにも関わらず観光客がちらほら
賑わいのあるテラスバーの数々
水タバコを吸いながらトランプゲームに耽る地元民
行ったことないけどハワイってこんな感じなのかな?
しばらく街の雰囲気を楽しんで、今日の寝床を探します
意外にも初の野宿です
18の時にヒッチハイクで旅に出た時も、大学時代に終電を逃した時も、よく野宿はしていました
どこでも寝れる、なんでも食べれる、誰でも話せる
旅人の必要条件は知らぬ間にばっちり身についてました
これまで野宿が出来なかったのは、寒すぎたからです
あと、雨が多かった
凍死の心配さえなければこっちのもの
無理して高い高いイスラエルに行ったからには、屋根とシーツは我慢して諸経費を取り戻します!
手持ちの選択肢は4つ
1.朝まで営業のマックか、カフェでワンドリンク注文して夜を越し、翌日昼寝
→眠いしお金を使うと本末転倒なので却下
2.廃墟
→解体工事後の建物はいくつかあるものの、埃がすごくて却下
3.公園
→リゾート地なので開けた芝公園が多い(警備で見つかりやすい)。夜まで騒いでいる若者が多い
4.ビーチ
→柔らかい寝床、人が少なく街からも近い、夜景と星が綺麗
ビーチに決まりです
先客もいたので満潮も安心して寝られそう
先輩達は重なったボートの間に入って快適そうに寝てます
対岸に見えるのがエイラート
寝る前に砂浜を散歩していると、アカバ在住のフィリピン人アーヴィに話しかけられ、砂浜トーク
「妹二人と母親がフィリピンにいてさ
仕事を探してヨーロッパから回ってきたけど、ここなら英語で働けるからもう2年ウェイターをしてるんだ
ここは嫌いだよ。けど働くってのは自由じゃないからね」
キャリアを積んだり好きな仕事を探したり
日本の就職はどんなに贅沢か
23才は日本でも世界でも働いてる人が多く
帰ったら自分はどうするんだろう
1時間ほど話してアーヴィは自宅へ帰り、ぼんやり星を眺めていつの間にか就寝
朝
子供たちの笑い声に目を覚ます
朝から海水浴の元気なヨルダン人
水着に着替えて仲間に入るも
あれ?
浮かない
おかしいな、この前は泳げたのに
海から上がってフェリーのチケットを旅行会社で購入(55JD)
※フェリーターミナルではチケット購入できません
たかが2時間のフェリー
食事も部屋もなんにもなしでこの値段(9200円)はどう考えても暴利です
中東は観光業が主要産業という国が少なくなく、「観光客?どうせ金持ちなんだろ?」って声が聞こえてくるような金額設定が多いです
フェリーの出発は8時
まだまだ時間はあるのでフェリーターミナルまで13kmは歩くことにしました
ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ
計8台のタクシーの悪魔の囁き
「フェリーターミナルには歩いていけないよ」
行けなかったらヒッチハイクするよ
「20kmはあるよ」
うそつけ
「7JDで連れてくよ」
お金はないけど時間はあるんだ
休むな、と言われている気がした
もちろん歩いているのは僕一人
検問でも驚いた様子の軍人
4時間かけて歩くうちに日は沈んでいきます
移動手段の中では徒歩が一番好きです
自分の足で歩いた道は忘れない
必要に応じてバスや電車を使ったりもしますが、時間が無限にあれば全部歩いて世界を回るのが一番いいんじゃないかと思ってます
このターミナルの明かりを見た時の嬉しさ
ターミナルでは出国税を再び10JD払い、出国審査をして待機
レストラン兼売店がひとつ
余ったヨルダンのお金で水と食料を買い込み、1時間遅れのフェリーに乗船
んー、案の定ぼろい
冷房ガンガンだけど席は大きくて快適
外国人旅行者は特別扱いで、下船前に係員に連れられ入国審査に向かいます
深夜23時ということで係員は3人ほど
アライバルビザ25$
お釣りはエジプトポンドになりますがユーロでも支払い可能でした。
無事エジプト入国完了です
外国人旅行者は僕の他にカナダ人の初老の男性が1人
朝までバスがないので一緒にどこか時間を潰せるところを探します
バス停の前に安宿があり(100EGP=630円)カナダ人はそこに泊まることに
僕はというと
もう1時も回っていてホテルで寝るだけにお金を払うのは勿体なかったので近くの工事現場跡で野宿
田舎で誰一人歩いていないし、静かで快適
なにより星が綺麗
蚊とハエは相変わらずうるさいけど「蚊がいなくなるスプレー」で撃退
ヌエバからのバスは
AM6:00 ダハブ行き
AM10:30 カイロ行き
があるそうです