イラン横断記4【イスファハーン→シーラーズ】
皆さんイランってどんなイメージですか?
イランの場所わかりますか?
名前はしょっちゅうニュースに出てくるので有名ですが、イランについて何かと言われればなかなかでてこないような気がします
僕ももちろんそうでした
「石油・反米路線・ペルシャ」
イラクと名前が近いせいで、危険で貧困なイメージを持ってしまっていませんか?
さすがに僕の短い滞在期間で危険ではないと言い切ってしまうと色々問題になりそうなので、外務省の危険度マップを確認してみましょう
(写真が微妙でごめんなさい右上です)
こんな感じです
アフガニスタンとパキスタンの危険度に東側を侵食されつつありますが、国境を除けば特に危険ではないとわかるでしょう
実際に入国してみると、イラン人の持つ穏やかな人柄と美しく歴史深い世界遺産に心を打たれます
広いイランの中でも特に魅力が詰まっている人気都市が、今回紹介するイスファハーンてとシーラーズ
桜、侍、柔道と日本文化が大好きなイラン
向こうの文化も少し覗いてみましょう!
テヘランから「世界の半分がある」と言われたイスファハーンへバスでやってきました
イスファハーンの中央、イマーム広場から伸びる大通りは、ナイトマーケットが並んでいてクリスマスのようでした
(あとで判明したのですが実際冬至のお祭りだったようです)
そしてイスファハーンの夜と言えばこちら
スィーオセ橋
橋なので川を渡るためにある訳ですが、今のような乾季には川が干上がっているので下も通れます
もともとそれを見越して作られているのか、1階に当たる部分も空洞になっており通行できます
1段目
2段目
綺麗な橋です
アーチが低く直線で奥まで見渡せるので元の長さにまして更に長く見えます
ギターを弾いているイラン人がいたので、観光シーズンならバスキング場所としては適しているかもしれません
対岸まで往復して再びイマーム広場をうろつきます
本日の夕食
豆とヌードルのとろとろスープ
イランは暑いからかアイスクリーム店もたくさん
さすがにこの時期は冷え込むので機会がありませんでしたが、種類も豊富で美味しそうです
羊の脳みそアイスがあったら絶対食べたんですけどね笑
宿では中国人のおじいちゃんが一緒で、またもやシニアバックパッカーのタフさに驚かされます
寝る前に体操をすると言い出して始めたのは腕立て伏せ...
やばい、身体年齢で負けているかもしれない...
そしてまさかイランで山口百恵の曲を聞くとは思いませんでした
おじいちゃん曰く
「イランは日本と中国が混ざったような国だ
車は全部日本車で、その他のものは全部中国製だ」
確かにイランは、いわゆる本物のブランド物は輸入できないのでありとあらゆる生活雑貨が中国製です
お土産買う際は気をつけましょう
2日目は街の中でも古いエリアを歩きます
特に何があるというわけでもありませんが、テヘランと違って人で溢れかえっていないのでのんびり時間が進みます
住宅街の小さな芝生で一休みしていると、イラン人のおじいさんにランチに誘われました
大きなずた袋ひとつに衣類を詰め込んでいて、どうやらホームレスのようです
一言も英語が喋れないのでいつも通りのボディランゲージ
芝生に広げたチャパティ(薄く焼いたパン。イランでの名前は分かりません)を2人でつっつき、暖かな日差しの中ピクニック気分
イラン人の素敵なところです
どんな時でも余裕があって人をもてなすのが大好き
食べたら眠くなっただろう?
と、袋から衣類を少し取り出して自分の枕に
残りを僕の枕として貸してくれたので2人で芝生に寝っ転がってお昼寝タイム
日が傾き、木陰で肌寒くなり起きました
バスまでちょうどいい時間
シーラーズまでは6時間
値段は520円でもバスはなかなか立派です
バスターミナル内の銅像
面白いけどベンチの無駄遣いではないだろうか
シーラーズに到着!
深夜2時
アザディー公園の落葉樹に身を寄せて野宿
落ち葉が柔らかく寝心地が良かったです
野宿の場所選びもなんとなくスムーズになって気がします
朝方あまりの寒さに泣きそうになりました
順調に南下しているものの、気温の変化は海抜の高低差によるものが大きいのでイランは寒いです
この調子だと、パキスタン・インドではさすがに冬用の上着を買わないとダメかもしれない
朝から宿にチェックインさせてもらい、案内された部屋にはまさかのLeo!(テヘランでアライバルビザ取得が一緒だったフランス人)
確かにテヘランからシーラーズ行くって言ってたけと!
お互い寝ぼけながら再会を喜びます
お昼から街歩き
恒例のバザール
地元民向けのバザールを歩くと、その土地の人がどんな生活をしているのか覗き見ることが出来て僕は好きです
例えば
イランのバザールでは化粧品、チャドル、女の子用の雑貨屋さん(ディズニーデザイン)が多く見られます
店員も女性がそこそこ多く、他のアラブ諸国と比べて女性の強さが見られます
食生活も、商店街の食材たちから想像できますよ
羊の頭です
脳みそは絶品でしたが頭はどうなんでしょう
調理方法は丸ごと香草と合わせて煮込むそうです
これだけ羊を食べるならジンギスカンがあってもいいのにな〜
野菜の市場
イランは柑橘系フルーツが豊富で、レモンみかんグレープフルーツその他の亜種どれもおいしいです
シーラーズの宿では女性バックパッカーのこいぴさんと出会いました
「こいぴの一人旅」
何がすごいって、300日も旅を続けながらほとんど毎日ブログを更新してるんです!
絶対真似できません
僕はランキングは参加していませんが、人が読んで楽しめるブログの書き方はぜひ見習いたいところです
ちなみに同郷で話が合うのでこいぴさんと話していると日本に帰りたくなります笑
翌日ホステルの豪華な朝食を食べて、一緒にシーラーズ観光
シャーチェラーグ廟
7代目イマームのお墓と鏡のモスクが有名
中央は広場になっていて地元の人達が多いです
僕らは外国人だったので特別に無料のガイドがつきました
ステンドグラスと鏡細工の間
ステンドグラスを通った鮮やかな光が鏡に反射して息を呑む美しさです
頑張って撮影しましたが実物には到底及びません
近場にもうひとつ有名なモスク
マスジェデ・ナスィーロル・モスク
朝日差し込むステンドグラスとその広間が有名です
お昼すぎなので光溢れるタイミングは逃していますが、これはこれで落ち着いていて綺麗
日の傾きによって内観が変わるので、朝の8時〜10時頃がベストだそうです
まだまだ行きます
ペルセポリス
シーラーズから50km程北に位置するペルシア帝国の遺跡でありイランを代表する世界遺産
まだまだ謎の多い遺跡で、行政文書からは矛盾も多い古代都市ペルセポリス
ペルシャの都として建設され、アレクサンドロス大王によって破壊されました
行き方はタクシーかバスになります
バスの場合長距離バスターミナルの向かいにある小さな乗合バスステーションから人が集まり次第出ています
このバスはペルセポリスのある街マルヴダシュト行きなので、街からはタクシーを使うことになります
少しでも安くとバスで向かいましたが、よく考えたら20円(バス)と90円(タクシー)の差です
帰りはタクシーを使いました
ペルシア帝国の隆盛を思えば意外と小さく感じるこの遺跡
それだけ破壊し尽くされたということでしょう
ISによって中東の遺産が破壊されたのもついこの間の話です
一時の状勢で何百何千年の歴史を持つ世界遺産が失われるというのはあまりにももったいない
(後ろ姿のこいぴさん)
日差しを遮るものがないので日中はかなり暑そうです
特に女性はチャドル着用なので夏は避けた方がいいかもしれませんね
クセルクセス大王の間
壁画も残っています
日の入りを丘の上で眺めてシーラーズへと戻ります
帰り道で買ったファラフェルサンド
トルコからエジプト、イランとどこでも食べられているポピュラーな食事です
ファラフェルとはひよこ豆のコロッケのこと
これはなんの銅像なんでしょう
シーラーズ最後はハーフェズ庭園でしめくくります
特にこれといったものはない庭園ですが、むしろ落ち着いていてゆっくりできます
イランは国土のほとんどが砂漠と岩山ですが、街には庭園や公園と緑が多いので、市民にとってもオアシスのような感覚なんでしょう
国境の街ザーへダーンへ15時間かけて移動し、イランを後にします
聞いていた通りイラン人は優しいです
日本人ほど親切な国民はいないだろうと思ってきましたが、これはもしかすると日本以上の「お・も・て・な・し」かも知れません
観光について
今回訪れた3都市に加え、ゾロアスター教鳥葬の儀が行われたヤズド、南のリゾート島ケシュム、城塞を持つバムとイランは国土が広いだけあって見所満載です
是非それぞれにあった旅行ルートで、雄大な自然や美しいモスクを堪能して欲しいです
難点は必要な準備が多いこと
ビザは日本で安く取るとして、クレジットカードが使えないのでリアルの国内レートを確認して交換する必要があります
加えて日本からの旅行では、時間と労力を考えると夜行バスはお勧めしません
国内線飛行機を予約して計画的にまわる必要があります
それらの難点をトータルしてなお
おすすめです
実際に来てみれば、皆さんの持つイランのイメージがひっくり返るはずです
フォトジェニックな観光地が多いので、カメラとInstagramは忘れずに!
それでは良いお年を!