Out of This World

休学して旅に出る大学生の備忘録

30ヶ国150日旅行を終えて

 

 

無事に日本に帰ってきました!

 

世界地図を眺め、「よし!とりあえず遠くへ行こう」スウェーデンに飛んで以来、無計画に世界を歩き回った結果、ユーラシア大陸の陸路横断という旅になりました


周りの旅人からは「1つも飛ばさずに回るなんて真面目だね」なんて言われたりもしましたが、実情はお金がなかったからバスやヒッチハイクをするしか無かっただけです


あっという間だった気もすれば、半年とは思えないような盛り沢山の日々だった気もします


各国の観光や、旅をどんな風にしてきたかは各記事で書いてきたので、最後に旅が自分にとってどんな意味を持ったのか、これから旅に出る、出ようと思っている人達に向けて書こうと思います

 


「概念が大きくなる」

どの国でも感じる自分の1番大きな変化が物事の尺度の広がりです


ひとつの言葉が持つ意味がどれだけ解釈によるかをいつも実感させられました
日本にいる限り一生気づけなかったことでしょう

 

例えるなら、「貧困」という言葉
日本で考えられる貧困といえば、せいぜい駅の前でダンボールにくるまって寝ること

 

インドで歩けないほどにやせ細った人を見ました
イスラエルで戦争によって家族を全て失った人にも会いました

 

辞書でひけば10文字の説明で終わる言葉達が、世界を旅することで一冊の本にもなるような大きな意味を持つ言葉となり、反対に「不可能」「絶対」という言葉はどんどんと小さくなっていきました 

 

これが日本で必要なことかどうかはわかりません
それでも世界のことを理解しようとすれば、自分の狭い世界で定義された言葉ではとても足りなかったことと思います

 

 


「自分で考える力がつく」

僕が海外について知っていたことはほんの僅かですが、それでも学校で学んだこと、人から聞いた話で少しは知った気になっていました


結局23歳になって持っていた全ての知識は誰かから聞いた他人の経験談でした

教科書の説明を丸暗記してもそんな知識に説得力は皆無だと知りました

 

もちろん旅の間にも多くの人からたくさんの話を聞いて学びました
しかしそんな話には新聞記者の解釈も教授方の判断もありません


それが自分にとって正しいことなのかどうかは自分で判断するしかありませんでした

 

その判断を下す過程で、今まで自分を形作ってきたものがみるみる剥がれていくのも感じました

なぜ?どうして?と果てしなく続く内面への問いに無我夢中で答えるうちに、自分が本当に大切にしているもの、自分を定義する大切な要素が見つかっていくのです

 

 


「感謝と共生を学ぶ」

これは少し不思議な感覚です
僕は1人で旅をしてきました
ホテルがない地域では野宿をし、現地の言葉で移動手段を見つけ、ガイドのない中で各地の歴史を学んできました


ですが、常に感じるのは自分は1人ではなかったのだということです

 

世界の多くの場所は、観光客が心地よく過ごせるためには出来ていません
そこに住む人達が住みやすいようになっています

時におかしなルールもあれば、偏見や差別があったりもします


そんな彼らの当たり前の暮らしの中に現れた異邦人の僕を、多くの人はただ善意をもって温かく迎えてくれました

 

車に乗せてもらい、食事をご馳走になり、旅に必要な情報を教えてもらい、将来の道を僕本人より真剣に考えてくれる人もいました
朝5時に到着して行くあてもない時、チェックイン前からソファで休ませてくれた宿のスタッフにも感謝です


世界中の友人、現地の方達、そして日本でこのブログを読んでくれている人、家族、応援してくれた方達への感謝は1日として忘れたことはありません

 

どんな世界に住もうとも、人間は1人では生きていけないし、1人ではつまらないんです

 

 


最後に
回ってきた全ての国で、例外なく目や耳にしたのは「宗教」「戦争の傷跡」です
これだけ多くの人間が平和と幸せを願い、失う痛みを知っているのになぜ戦争が終わらないのか
答えが出ないというのは建前で、実は答えを出したくない数人がいるだけじゃないかと感じました


世界は危険で貧しい場所ではなく、美しく優しさに満ちています

 

言語や肌の色が違っても同じ人間というありきたりな言葉の意味を知るのは、本当にそれを実感した人の特権です

 

"You may say that I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one''

ジョン・レノン「Imagine」より

 

 

そんなわけで、特に何かができるようになったわけでもないけれど、少し自分の世界は広がったかなと思う帰国後でした