アフガン国境ペシャワールinパキスタン
インドビザを待つ間、パキスタンのどこか田舎へ行こうと、フィリップ(国境からの一緒のドイツ人バックパッカー)と相談しPeshawar(ペシャワール)へ行ってきました
ペシャワールはパキスタン北西部、アフガニスタン国境に位置する街で、中央アジアとの貿易口であったことから、街並みや食生活などがこれまでのパキスタンと大きく異なります
そんな文化の交わりが魅力的だったのです
が、
滞在した三日間の中日に近所で爆発事件が起きました
幸い死者はおらず車が大破とけが人が数人で済んだようです
リンク(英文ニュースサイト)
ペシャワールでのテロや爆発は定期的に起きているため、自信を持ってお勧めできないのがとてもとても残念です!!
個人的には最高の思い出になったペシャワール!
イスラマバードから列車で向かいます
後で知ったのですが、バスの方が1時間ほど早く快適です
クエッタからパキスタン全土を回り、4時間遅れてやってきた列車はスカスカ
どうやったらここまで汚くできるのか
電車で話しかけてきた大学生2人によると、目下のところパキスタンの急務は教育の普及だそう
識字率が圧倒的に低く、マナーや道徳が身につかないんだそうです
逆に言うと習慣と不文律で社会が成り立っているということ
パキスタン人の親切さを見ると、素の人間はこんなに優しいのかと性善説を推したくなります
4時間遅れでカウチサーフィンホストAbidの家に到着
夜遅くにもかかわらず奥さんの手作りディナーを頂きました
食後のオレンジはペシャワールの特産品で絶品
彼はツアー会社の社長なので明日は熟練のガイドを無料でつけてくれるとのこと
特に予定もないのでありがたい限り
翌日Abidと共に朝食へ
ペシャワールを囲む16の門の1つラホール門をくぐり
脳、舌、腸、脚と、余すことなく分解された元家畜たちを通り過ぎローカル食堂へ
アルバプリ
パイ生地のような食感でジャムやカレーをつけていただきます
出来上がり熱々をどんどんお皿に乗せてくれるのでいつの間にか3枚、、、4枚、、、
止まりません
食後の散歩にペシャワール博物館
は、入場料が外国人料金で高かったので併設の図書館へ
英語のコーナーを眺めると旧宗主国の英文学が多く驚きました
文化も近いので影響色濃いのは当然といえば当然でしょうか
本とは不思議なものです
この本が1000円なのか数万円なのか分かりませんが、僕には紙切れです
逆に理解出来さえすればそれは時間と空間を超えて知識と経験を伝える黄金以上の宝に変わります
これからツアーガイドをしてくれるJalilとパシャリ
アフガニスタンとの国境が開いていた時期に使われていたバスターミナルや
その昔、ヒッピー達がたまってハシシを吸っていたホテルのベランダなどを見て周ります
ストーンバザールでは指輪から器までありとあらゆる宝石の芸術作品
トルコの琥珀石が輸入されているのもやはり国境ならではです
彼ら二人の目の色が分かりますか?
混血による黄金の目です
光の下では見とれてしまうほど美しい金色ですが、数年前までは移民の証とされ隅に追いやられて生活していたそうです
世界には目の色がたくさんあります
アルビノによる赤や紫の眼、北欧などヨーロッパでは青や緑の美しい目を持った人達に出会えますよ
イギリス時代にも国境として栄えたこの街には、時計塔や街頭など英国文化の名残が見られます
とにかく迷うことなくすたすた歩くJalil
20歳の頃から40年以上ガイドを務めるベテランです
時折、「昔まだ観光客が多かった頃は〜」と話すのがなんとも切なく、そして時代の移り変わりを感じます
傾き、腐り、色落ちてなおそこを譲らぬ英国建築
地震でもイギリス統治時代の建物は強かったと皮肉混じりに話すJalil
他にもモスクや専門店街をうろついて少し疲れた旅人2人は、個人ツアーなのをいいことに少し休憩。と昼寝をはじめます
子供たちに顔をのぞき込まれ起こされたので
遊びます
Jalilが「日本の首都がわかる勉強家はいるか?」
と訪ねると、1番年長の男の子が
歴史の授業が好きなんだね。たくさん勉強していつか日本の歴史を見に来てね。とお別れ
一区画に10軒はあるチャイ屋のマスター
熟練の手つきで次から次にやってくるオーダーを捌きます
ここペシャワールでは無糖グリーンティーという有難い習慣があります
砂糖まみれの紅茶もいいですがやっぱり日本人にはこっち
夕方前にAbidのツアー会社へ戻り、SNSでのCMに協力
日本語でツアーの感想なんかを撮ってもらいました
ほんと自由に歩かせてもらって、地元の人と歩くのがこんなに楽しいとは!
ペシャワールではもう1人ホストを受けてくれた方がいるので2日目の夜はそちらに向かいます
もうひとつのパキスタン
この異様な光景が分かりますか?
ムスリム世界でのお酒、豪華すぎるリビング
34歳でガソリンステーションチェーンを経営するホストのZiaは、働く必要も無いので毎日社長仲間とパーティ
巨大なお宅には空き部屋が余るほどあります
この日、イランから続いた18日間の禁酒生活に終止符を打ち、別世界の雰囲気に身を任せました
翌日のディナーは、ドライブで郊外の狩猟場にひっそりとたつレストランへ
社長達や大学の友人、召使いの方までみんな集まり豪華なディナー
肉や魚が惜しげも無く振る舞われ、ペットボトルに隠し持ったウイスキーで食後の会話も盛り上がりました
(このレストラン経営者もZiaの友人でした)
帰宅してからも続く夜会
パーティ会場のZia宅には次から次へと友人達が現れては帰っていきます
飲んで食べて喋って眠い者から消えていく
人生最小の折鶴に挑戦したり、書道をしたりしてる間に時間は4時
みんな寝てしまったのでそのままフィリップを起こし、早朝のバスでイスラマバードへ
色々な意味で別のパキスタンを見ることが出来た濃密な2日間
相変わらずの人の良さ・街の自然さは旅人には魅力的です
1つ心に引っかかったのは、パキスタン全土でお金持ちの家庭に必ずいる召使い(カースト制度)
暇な時間には主人と会話をして楽しそうな人もいるわけですが、それが小さい女の子であったりもします
そして英語で彼らがServant(サーヴァント)という言葉を使う時に、なんだか眉間にシワが寄るのは僕だけでしょうか
へスース(国境で会ったスペイン人)はバイクでの道中、田舎に泊まり一夫多妻の家庭を見て困惑していました
世界の情報と文化からはひとつ離れた所にいるパキスタン
独自の文化は魅力的ではありますが、時として歴史の教訓と人類の進歩に目を向けなければ、世界の一員として認めてもらうのは夢物語に終わるかもしれません
書道中にZiaに頼まれ、注文通り筆を動かした第2婦人へのラブレター
無理難題の薔薇は自分でもかなり頑張ったと思う
それでは、おやすみなさい