インド総括〜全てを包み込む国〜
「ここはある意味でアメリカよりも自由な国だ
そして僕らはここから逃げられない」
ーあるインド人青年ー
文字通りインド横断を終えて、この3週間を振り返ってみようと思います
訪れた都市は
アムリットサール→デリー→ハリドワール→リシケシュ→アラハバード→ヴァラナシ→ジャムシェドプル→コルカタ→シリグリ→グワハティ→コヒマ→インファール→モレ
(日本語表記は現地発音重視)
思いつくままに書いてもいいのですが、分かりやすくいくつかのポイントにまとめて、インドで感じたことを素直に書いていきます
「人」
総じて熱いです
「親切な国民」「誠実な国民」「朗らかな国民」どれも近いようで少し違います
僕が人に紹介するとしたら「頼りがいのある国民」でしょうか
我が強い人が多いので、あまり自分の予定を変更しません
ので、一緒に行動する時に、「次どこ行こうか?どっかある?」みたいなことにあまりなりません
ガンガン行くのでついて行けば楽しいことが起きます
その点日本人とは相性がいいかもしれませんね
お誘いを断ると素直に引きます
ただその中で、俺に出来ることはないか?困ったらいつでも電話しろ
と、アフターケアまでしてくれるところはやっぱり優しい
そして、実際にほんの数分電車で一緒だった人が、元気か?と電話をかけてくれたりします
マナーの面では、横入りやぼったくり、ポイ捨てなど日本人には許せないような惨状です
諦めましょう
個人的にはポジティブと言うよりは割り切った性格の人が多く、約束をすっぽかしたりしても全然気にしません
なんに関しても寛容なのは南アジア共通ですね
もう1つインド人は家族のつながりがとても強いです
とにかくいつでも兄弟家族と電話します
ここにいるよー。日本人にあったよー。と電話越しに突然家族を紹介されたりもします笑
「地理」
ばかでかいです
舐めて短気旅行を計画しようものなら痛い目を見そうです
インドの友人に「故郷はどこ?」と聞いたら「デリーから電車で2日」と、規格外の答えが帰ってきました笑
ただ各州が異なる宗教、異なる文化、異なる人種と異なるルールを持つので探検しがいは世界一かもしれません
自然あり都会あり、海あり山ありなので飽きることはまずありません
都会は異常な汚さと動物の匂いがかなりキツイので、ダメな人は田舎まわりがいいでしょう
個人的にはエジプトのラクダの方がインドの牛よりだいぶ臭いです
距離的にも一度に全部回るのは難しいので、1つの州に時間をかけてじっくり文化を読み解いていくのがおすすめです
「食事」
言わずもがな、なんでも辛いです
食べるのが大好きなので食事場所に困ることはまずありません
各都市で宗教によるタブーや特産品が様々なので全体で見れば食材豊富に思えますが、一つ一つで見れば食の多様性を好む文化はありません
好きなものを毎日食べるタイプです
衛生面はかなり酷いです
特にストリートフードは調理過程があれなので(オススメですが)要注意
ただ誤解しないで欲しいのはインド人はこと自分の体に関しては清潔です
手で食事をする文化のため毎食前、食後手を洗い、トイレに行ってももちろん石鹸で手を洗います(こちらも手を使うので)
移動中だろうが歯磨きや洗髪を欠かさない人も多くその辺は少し意外でした
じゃあ何が問題かと言うと、体の作りです
彼らが食べれる食事、飲める水が外国人に合うかと言われればまず間違いなくNoでしょう
まぁ死にはしないでしょうが、死ぬほど苦しむので注意してください
全ての旅人はインドで必ず最低1度体調を崩すと言われています
今のところ旅人仲間では100%当たっています
いっそ諦めてとにかく美味しそうなものは全部手を出してみる方がビクビクするより気は楽です
ベジタリアン、ノンベジタリアンどちらでも楽しめるストリートフードが溢れています
「宗教」
多様で信心深いです
シク教・ヒンドゥー教・仏教・イスラム教・キリスト教・その他多数
どの宗教も比較的他宗教に寛容ですが、イスラム教に対してのみ風当たりの強いエリアが多いです
信心深いことと様々な宗教が共存していることに誇りを感じている人が多いので、挨拶では宗教を聞かれることが多いです
ただ日常生活でのタブーは少ないので、特に何か我慢していたり、一緒にいてこちらが不便を感じることは少ないはずです
起源である仏教が流行らず、ヒンドゥー教が多いのも実はこのためです
初期仏教の節制と内向きな信仰対して、ヒンドゥー教はやや世俗的で視覚化しやすい(好きな神を選んだりできる)宗教です
自由を好む文化なのでそんなのも納得できます
ちなみに!この反省を活かして視覚化しやすく変化したのが、日本に伝わった密教系仏教です
曼荼羅や仏像など仏教らしい美術品は密教から始まったものなんですよ
「国際関係」
あまり良くありません
人種とエリアによりますが、遠い所程隣国を嫌っている印象です
どういうことかというと
パキスタンに行ったと言うと、質問が「あそこは最悪だっただろう?なんでムスリムの国になんて行くんだ!」となります
逆に西インドでは、パキスタンは同じ民族という意識がある反面、バングラデシュ嫌いが目立ちます
中国は交流もありますが総じて印象が悪いです
国境で争っているので当たり前といえば当たり前ですね
隣国では唯一ネパールのみ観光客、移民ともに多いため友好的です
アメリカヨーロッパには憧れのような感覚をみんな持っており、日本もそれに近い印象ですが、若者のイメージはアニメや家電です
実際には、国際関係に関するインド国民の感情はかなりプロパガンダ色が強く、殆どが無知から来ているものでしょう
広すぎる国土と教育が不十分なため、国内でさえ全体に詳しい人はほんの一部
ほとんどの人は聞いた話か、もしくは自国内の都市の名前さえ知りません
「旅人目線」
インドを訪問先に選ぶ旅人は、冒険家気質が強いはずですのでおそらく気に入ります
逆にフォトジェニックな部分に惹かれて足を踏み入れると幻滅するでしょう
公共交通機関、宿共に期待するだけ損です
インド人は家族の繋がりが強く長期の旅と言う文化がないので国内需要がないのでしょう
旅道具は手に入りづらく、もし見つかっても粗悪なものが多いので、安いとはいえインドでの購入はオススメしません
先進国とは違って、黙っていても色々な経験の機会が向こうからやってくるので、彼らに混ざって混沌とその多様性を楽しみましょう
「観光おすすめ」
一昔前は神秘的で未開の地だったようですが、今は大きく変化しています
特にメジャーなツアー先となる【デリー・ヴァラナシ・コルカタ・ムンバイ・ジャイプル・アグラ】あたりは観光地化した事で悪い方向に変わっているそうです
スリ、詐欺、ぼったくり、悪質な商売が自由の名の元溢れかえっているので神経を使います
逆に南インドではインフラが整ってきて観光しやすくなっているそうです
極東、北部は未だ旅人にも未開拓な文化が多く残っているのである程度時間とお金に余裕のある方にはおすすめです
(タクシーのチャーターなど必要な場合があります)
磁力で車が勝手に動くマグネティックフィールド
脅威の出生率双子の村
マウリノンの生きている橋
黒魔術の儀式残る村
ぜひぜひ探して訪れてみて下さい!!
禁酒州や禁煙州、宗教のタブーがありカーストを持つ彼らが「自由」を唱えることに違和感を感じていましたが、深読みの結果なんとなくその一端を掴んだ気がします
彼らの「自由」は、日本人が感じるような物質的、選択可否性なものではなく、内面的で個と帰属する集団への自由を意味しているのかなと感じました
以上!独断と偏見に充ちた個人的インド総括でした!
再訪した時には南インドとラダックに行ってみようと思います
長いインドを終え次はミャンマーです!
残り数カ国もお楽しみに!