戦争を超えて世界の都市へ【サイゴンinベトナム】
とうとう大陸最後の街へとやってきました
ベトナムで旅を終えることになったのはなぜかと言うと、カンボジアのビザ代が高い!(35ドル)アンコールワットも高い!(40ドル)
ということと、大学に戻り就活をする準備期間の限界です
ベトナムでもう少し稼いでカンボジアへ行くことは可能だと思います
しかし、カンボジアからは飛行機も高いので行くとすればタイのバンコクまで通り抜けることに
ここまで回ってきてタイの北部にも行ってみて、バンコクは今じゃなくてもいいかと感じました
観光客に溢れ、設備は整い、日本からのアクセスもいい ので機会はあるでしょう
バンコクからマレーシア、インドネシアやフィリピンへの旅は次回にまわそうと思います
代わりに飛行機が安かったのでベトナムの後は台湾によりますよ〜
もう少しブログは続くので最後までぜひ見守ってやってください
全然渡れない横断歩道
街を歩いていると懐かしのアボカドスムージーを発見
日本に帰ればこんな贅沢にフルーツを食べられないと思うとお財布の紐も緩みます
ホーチミンは外資によって発展した部分が大きく、世界中のファッションブランドやレストランが万博のように大通りを占めています
故郷北海道の海鮮レストラン
よし、北海道に帰ったらまずほっけを食べよう
街の中心部ベンタンマーケット
夜なので開いているのは屋外のみ
食べ物屋台も沢山出ています
西へ少し歩くとウォーキングストリート
とにかく人が多い!
外に座って飲んでいる客やスルメ売りの屋台車を避けて、人波に揉まれながら前も見えずに進みます
ロックバンドにDJ、カラオケまで
半屋外の開放的なお店が多く、友達と一緒なら好きな音楽のお店に入ってビールをちびちびコースで間違いないでしょう
友達のいない僕は宿の近くのコンビニで夕食
翌日はお昼の間に街歩き
最初にやってきたのはベトナム戦争博物館(40000ドン)
博物館の外にはベトナム戦争に登用された米軍の戦車やヘリコプター、そして爆撃機が展示されています
航空機には明るくないのでどれが何なのかはよく分からず
ベトナム戦争と言えば、世界中に広まった反戦運動で有名ですが、日本でもデモが行われていたこと知っていましたか?
この後イラク戦争に派兵しているあたりを見るに、日本の民意と政治はいつまで経っても足並みが揃わないようですね
この博物館に展示されている写真の多くは外国の戦場カメラマン達によって撮影されたリアルな写真(メインの展示は日本人)
ベトナムで歌う日本人の写真もありました
Photographを写真と翻訳した方は偉大です
展示はほとんどが写真展示なのですが、今まで見てきたどの博物館、記念館よりも心にくるのはきっと真を写しているからでしょう
残酷な写真も容赦なく見ることになります
アメリカ軍司令部からの命令は
''Search all, burn all, kill all''
「探し出し、焼き払い、殺し尽くせ」
ナパーム弾・クラスター爆弾・対人地雷とアメリカ軍事兵器の実験場となったベトナムでは、民間人が500万人殺害されました
背景にベトナム軍のゲリラ戦略があることは理解できるのですが、笑顔でベトナム人女性や子供を拷問するアメリカ軍の写真を見ると、どんなに正当性があろうと戦争もまた人間に手の負えない手段のひとつだと感じます
10歳前後の子供たちが描いたベトナム戦争
こんな小さな子供たちがトラウマを抱えて故郷が焼かれる絵を描くことがどれだけ残酷か
フランス軍との和平交渉・アメリカ軍の参戦・反戦運動と17年の長い戦争の経過に分けて展示コーナーは別れています
そして枯葉剤のエリアへ...
ベトナム軍の増強を阻むため未成年から胎児までを対象に散布し、後に大量の奇形児を生み出した戦争犯罪のひとつです
トキシン(毒)によって体の繋がった状態で生まれた兄弟
使用された薬剤(混合トキシン)は実験段階で奇形児を発生させることが判明していました
おそらく日本の学校の教科書でも皆さんはそんな奇形児たちの写真を見ているはずです
しかし、本物はレベルが違います
展示コーナーに入った瞬間目に入る乳児達の姿は、およそ人間が想像しうるどんな怪物よりもおぞましいものでした
顔のパーツが複数あり配置がばらばらの顔、飛び出した目と手足のない体で必死に笑う子供、そしてその子供を抱く母親
写真を撮ることも出来ませんでした
多くの奇形児はその身体能力と臓器の欠陥のため長くは生きられません
子共たちの姿は怖くはありませんでした
ただ人間の残酷さが恐ろしく、そんな写真の連続に文字通り息が止まりました
声も出ないのに涙が止まらず頭が割れそうで、ただ息をしたくて外に出ました
小学生の頃に原爆ドームに行った時を思い出す辛さでした
もし、後で軍隊に入るかもしれないから産まれる前に殺しておこうというこの悪の思想が許されるなら、戦争は人間の本質ではなく、間違いなく人類全体の退化でしょう
ヌードルもバインミーも全てトイレに出し尽くした後で再び展示に戻りました
目を逸らしてはいけないとただ思ったからです
アメリカ軍がこの戦争に費やしたのは1110億ドル(約10兆円)と100万の兵士の命
人類史上最も偉大な発見のひとつヒトゲノム(遺伝子)の構造解明にかかった費用はわずか30億ドル
学者達が戦争を嫌うのは当たり前でしょう
倫理を捨てて数字だけを見ても、大目に見て「無駄」でしかないんです
これだけの戦争犯罪を「勝てば官軍」と正当化するアメリカという国に軽蔑を禁じえませんでした
ベトナム戦争と言うと、反戦運動の末に平和を掴んだ民主主義の成功例として認識されることは間違いではありませんが、その17年の間にどれだけの犠牲があったのか知ることは大切だと思います
それでもベトナム人は今日も世界一素敵な笑顔で笑うのです
この調子では、カンボジアのキリングフィールドは僕には耐えられないかも知れません
さて、気を取り直してサイゴン中央郵便局
フランス政府によって作られたヨーロッパ風の建築で、内部にはお土産コーナーなどもあり観光客の人気スポット
5分ほど南に歩いて再びベンタン市場へ
お昼は屋内に無数の服屋がたち、まるで迷路のよう
スーツにカジュアル、下着に布屋となんでもありました
夜もぶらぶらと宿の周りをうろつき、日系カナダ人のルームメイトと難しい話をしながらお金を綺麗に使い果たしてベトナム観光終了!
ユーラシア大陸横断を終え、台湾に寄って日本へ帰ります
まさに通り道
空港では日本語のアナウンスが流れ、東京や大阪といった見慣れた地名が並び、日本人らしき観光客もちらほら
いよいよ近づいてきました